坊っちゃん (ぶんか社文庫 な 5-1)


坊っちゃん (ぶんか社文庫 な 5-1)

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『共感する。』
今まで読んだ漱石先生の作品の中では一番好きである。

赴任した土地に全く馴染めず、人や物に不満たらたらの坊っちゃんに妙に共感した。
こんな田舎嫌いの先生に来られたら土地の人は堪ったものではないと思うが、如何せん人間田舎は嫌なのである。
適応力の有無に関わらず適応したくないのである。気持ちは凄くよく分かる。そうさせるのは江戸っ子の矜持なのだろうか。

無鉄砲な江戸っ子である坊っちゃんも、漱石先生ならではの神経質な性格を示しているが、
他作品における神経質さほど気にはならない。
むしろ今作独自の不思議な愛嬌を帯びているように感じられる。

坊っちゃんが復讐を遂げて松山を逃れる最後も哀愁漂っていて良かった。
清への細やかな情愛にも好感が持てた。






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